3月6日よりスタート!青森県立美術館「富野由悠季の世界」開会式レポート
『機動戦士ガンダム』、『Gのレコンギスタ』などの「ガンダム」シリーズの他、『伝説巨神イデオン』、『聖戦士ダンバイン』といった数多くのオリジナルアニメーションの総監督を務め、国内外のアニメシーンに多大な影響を与えた富野由悠季監督のこれまでの仕事を回顧、検証する展覧会「富野由悠季の世界」の青森県立美術館での巡回展が3月6日(土)よりスタートしました。会期は5月9日(日)まで。
▲青森県立美術館ならではの魅力的な空間いっぱいに広がる富野ワールド! photo: Daisaku OOZU
▲青森会場限定のグッズはオリジナルデザインがプリントされた南部あめせんべい
初日である3月6日(土)には開会式を実施。
富野由悠季監督(リモートにて出演)と、青森県立美術館 杉本康雄館長が挨拶をしました。
富野由悠季監督
福岡から始まりまして、神戸、島根、静岡、富山で今回6回目の会場で総集編という事になります。
青森の美術館のスタッフが頑張ってくださいまして、総集編と同時に『富野由悠季の世界』はアニメだけではなく、こういうのもあるんだぞという事も展示していただけました。
本当に予想外だったのですがこれも『富野由悠季の世界』なのだと実感させられました。
現在の世代のアーティストが総括すると富野由悠季の世界はこう見えるんだよという展示が最後のコーナーにございます。
学芸員全員の力がこの場所に集結した意義深い、単なる回顧展にはなっていないという意味では本当に嬉しく思っています。
昔からのファンも観ていただきたいと思いますし、若いファンの方はこういう考え方でクリエイションの世界があるんだと知ってもらえると思います。
この展示そのものが個人のものではなく50年間のアニメのファンが支えてくれた総決算になっているという感じがあります。
新しい方向を観させていただき刺激になってます。関係各位の方に心から御礼申し上げます。
青森県立美術館 杉本康雄館長
本日の開館時間前からこの企画展を期待して来ている方がたくさん並んで待っていらっしゃいまして、開催できる事を嬉しく思います。
去年の4月からの開催予定でしたが新型コロナ感染症の影響で1年延期して今日からのスタートになります。
そういう意味でも、6館の巡回展の締めという意味でも、この企画展に対する思いが青森県立美術館だけではなく企画担当各位にございます。
今まで以上に展示室を多く取り、館の約2/3の面積、約3,000点の展示をしています。
青森会場だけのものも用意しており、『伝説巨神イデオン』のコーナーをかなり拡充しています。
また『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のモビルスーツの実寸大に近い展示もしています。
青森会場限定のグッズの販売、オリジナルデザインがプリントされた南部あめせんべいも予定しています。
間違いなくファンの皆様には楽しんでいただけると思います。新しい富野由悠季の世界を堪能してください。
当日はフォーラム八戸(八戸市)にて、「富野由悠季監督特集上映」開催記念オンライン舞台挨拶も行われました。
レポートはこちらをご覧ください。
また、開催日の前日には本展覧会の開催に先立ち、マスコミに向けた富野監督へのリモート取材が実施されました。
カメラを通じて感じた会場の様子や、本展覧会への思いが語られたので、一部抜粋してご紹介!
青森県立美術館が最終会場となる意気込み・見どころについて――
自分の中で「美術館」というものにステイタスを感じていましたが、青森県立美術館という立派な美術館でこの展覧会ができ、学芸員の皆様の力もあり、展示会場を見て「いやぁ、よくやってくれたな」と嬉しく思いました。
青森県立美術館の近代的な中に、50年間を回顧できるものが展示されているんですけれど、"回顧感"が無く、現在でも通用するような空気感が流れているんです。そのような作り方をしてくれた学芸員の皆様の力に感動しています。
展示のラストに関しては、僕の世代を僕より若い世代の人が見上げてくれた時に「こういう風な発想を持つんだな」というものを作ってくれました。自分が一番やりたかったことを形にしてくれたという意味では本当に感謝していますし、自分がこれを作るだけの発想に至らなかったということには悔しく思います。青森会場でしか見ることができない、そういう部分を見ていただけたらありがたいです。
富野監督がこれまで生み出してきた作品を一貫して"伝えたいもの"はございましたでしょうか?――
全体を通してとなると自信はありませんが、若い人に対して"近未来に絶望してほしくない "ということだけは意識して作品を作ってきたつもりです。「過去の我々は間違ったかもしれない」という、間違いをピックアップするということを意識していたと思い出せます。
過去論をあまり語らない作品の場合は、「機械を信用してはいけない。最終的に信用しなければならないのは人間の体なんだよ」ということを一番主眼にしてきたつもりです。
ファンへ向けて一言お願いします――
青森会場は、今まで開催された5つの会場を総決算するような形の展示になっていると思っています。そして本展覧会の取り組みの中に入っているものですが、青森県立美術館独自の作品も展示されています。過去の美術館で展示されたもの以上の見物もありますので、この展覧会を何度も見ている方でも、今回の展示会場は見る価値があると思いますよ。
「『富野由悠季の世界』展、なめてもらっちゃ困るぜ!」
展覧会「富野由悠季の世界」青森会場開催概要
【会場】
青森県立美術館
(青森県青森市安田字近野185)
【会期】
2021年3月6日(土)~ 5月9日(日)
【開館時間】
9:30~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】
2021年3月22日(月)、4月12日(月)、4月26日(月)
【観覧料】
一般1,500(1,300)円、高大生1,000(800)円、小中学生無料
※( )内はWEBチケット料金。WEBチケット購入には別途手数料165円が必要となります(お客様負担)。
※WEBチケットでご入場の際には特製チケット(デカチケ)をプレゼントいたします。
※心身に障がいのある方と付添者1名は無料。
※コレクション展観覧料は含まれません。
【チケット販売】
・総合案内窓口でのチケット購入
窓口で当日券をお買い求めいただけます。
・チケット販売サイト「GETTIIS(ゲッティーズ)」でのWEBチケットの購入
※購入できる期間は3月1日(月)から5月9日(日)16:30までです。
チケット販売サイトURL:https://www.gettiis.jp/event/detail/tjfrXsz7
青森展の見どころ
[1]2020年に放送40周年を迎えた『伝説巨神イデオン』の展示コーナーを拡充いたします。富野監督の作劇、演出のアイデアが詰め込まれた「イデオンノート」の重要箇所を一挙に公開します。
[2]2019年12月に逝去した世界的インダストリアルデザイナーであるシド・ミード氏の功績を顕彰するため、『∀ガンダム』のためにデザインされたモビルスーツのスケッチをパネル展示します。さらに∀ガンダムとターンXは高さ5mという巨大サイズでそのデザインの魅力をお伝えします。
[3]『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場したモビルスーツ「リ・ガズィ」のダミーバルーンを原寸大の胸像として再現します。モビルスーツの大きさが体感できる展示です。
[4]人気声優、有名モデラーの模型作品を多数展示いたします。
[5]展示の最後に「エンディング」のコーナーが追加されます。果たして何が展示されるのか…、誰も知らないラスト!
関連イベント
開催記念対談「富野由悠季×樋口真嗣」や劇場版『Gのレコンギスタ』の特別上映などを予定しております。新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえながら、最新情報は美術館ホームページ等ホームページ等で随時更新します。
・フォーラム八戸(八戸市)にて、富野監督作品の特集上映決定!
映画館ではなかなか見ることができない貴重な作品を上映。
(フォーラム八戸)https://forum-movie.net/hachinohe/news/17678
【上映期間】3月5日(金)-3月11日(木)
【日程・作品】
3月5日(金) [終了]
10:00- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
18:30- 機動戦士ガンダムⅠ
3月6日(土) [終了]
10:00- 伝説巨神イデオン 接触篇
※上映後、富野監督によるオンライン舞台挨拶開催!
18:30- 機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編
3月7日(日) [終了]
10:00- 伝説巨神イデオン 発動篇
18:30- 機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編
3月8日(月) [終了]
10:00- 機動戦士ガンダムF91
18:30- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
3月9日(火) [終了]
10:00- 機動戦士ガンダムⅠ
18:30- 伝説巨神イデオン 接触篇
3月10日(水) [終了]
10:00- 機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編
18:30- 伝説巨神イデオン 発動篇
3月11日(木) [終了]
10:00- 機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編
18:30- 機動戦士ガンダムF91
◯新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の拡大状況により、展覧会の内容等が変更されることがあります。
詳細については、
・美術館ホームページ
・ツイッター
・フェイスブック
でご確認ください。
展覧会「富野由悠季の世界」開催概要
【開催情報】
- 第1会場[終了]
福岡市美術館
会期:2019年6月22日(土)~9月1日(日) - 第2会場[終了]
兵庫県立美術館
会期:2019年10月12日(土)~12月22日(日) - 第3会場[終了]
島根県立石見美術館
会期:2020年1月11日(土)~3月23日(月) - 第4会場 [終了]
静岡県立美術館
会期:2020年9月19日(土)~11月8日(日) - 第5会場[終了]
富山県美術館
会期:2020年11月28日(土)~2021年1月24日(日)※会期変更 - 第6会場
青森県立美術館
会期:2021年3月6日(土)~5月9日(日)※会期変更
【公式サイト】
http://www.tomino-exhibition.com/
【協力】
サンライズ、東北新社、手塚プロダクション、日本アニメーション、オフィス アイ
【企画協力】
神戸新聞社